Leica Captivate v3.0の5つの改善がプロジェクト間の移動をより効率的に
管理データの操作方法の変更
多忙な測量技師や、現場のエンジニアは、複数の調査を平行で処理したり、建設プロジェクト間を日々移動することがあります。これは新しい位置に測量機器を移動させる作業だけでなく、測量作業、設定データ、設計データ、座標システムなどを Leica Captivate内で切り替える必要があることを意味します。
Captivateを利用する際に、作業中ジョブ(測定データを保存するジョブ)の切り替えは、ホーム画面からシンプルにスワイプ操作で行えます。しかしこれまでは、管理データの切換(機器の設定で使用するデータ)およびに設計データ(杭打ちに使用するデータ)を同じように迅速に切り替えることはできませんでした。
一日のうちに異なるプロジェクト現場で作業
新しいCaptivate v3.0 は2017年12月1日リリースされました。新バージョンはプロジェクト間の移動効率を高める、5つの主な改善が加わっています。この新バージョンで解決された課題および変更点は次の通りです。
プロジェクトを切り替える場合、設計データと管理データはなぜジョブにあわせて切り替わらないのですか?
Captivateでは、測定データを保存するジョブをホーム画面のジョブカルーセルで選択します。Captivate旧バージョンでは、トータルステーションの設定データを含んだジョブは、「設計データの選択」画面から選択していました。また、使用するアラインメントまたはDTMデータも同様でした。
現場プロジェクトを移動する場合、ホーム画面で異なるジョブを選択し、さらに異なった管理データ、設計データ、DTMおよび(または)アラインメントのジョブを選択する必要がありました。頻繁に移動が発生する場合にこれは煩雑な作業であり、ジョブを切り替えることを忘れ、間違ったデータを使用してしまい、エラーに結びつくおそれがありました。
Captivateの新バージョンでは、管理データ、設計データ、DTMおよびアラインメントジョブはすべて、ホーム画面で選択したジョブにリンクさせることができるようになっています。これは、異なるプロジェクトで作業を実施するたびに、ホーム画面でスワイプしてジョブを選択するだけで、バックグラウンドでこのジョブと自動的にリンクされている設計図、管理データおよびアラインメント・データがすべてアクティブになることを意味します。これにより、自動的に正確なデータが使用されるため、エラーを防ぎ、現場プロジェクトの切り替え時間を短縮できます。
コントロールポイントが複数のジョブにわたって使用されています。管理ジョブを毎回切り替えずに 使うことはできますか?
前バージョンのCaptivateでは、設計データ画面で、ポイントとラインを含んでいるジョブを1つしか選択できませんでした。新バージョンでは、このホーム画面で選択したジョブにリンクされた管理データのジョブ数に制限がなくなります。これは、管理データを含んでいる複数のジョブ、および設計データを含んでいる複数のジョブを選択し、同一の作業中ジョブにリンクできることを意味します。
これらのすべてのリンクされたジョブと作業中ジョブのデータは、いわゆるデータセットとして組み合わさり、必要に応じて様々なアプリで利用できます。
例えば、測量アプリ3Dビューアでは、リンクされたジョブのデータはすべてグレーで画面表示され、測定データとは区別ができるようになっています。
設定アプリでは、リンクされたジョブのデータだけが表示されます。これは、設定に使用された管理データを含んでいるためです。
データをすべてデータセットで組み合わせた場合、異なるジョブのポイントでCOGO手法を使用できますか?
はい。前述したとおり、リンクされたジョブの中身はデータセットの中で組み合わせられています。COGOアプリはデータセットにアクセスします。したがって、新バージョンのCaptivateでは、複数のジョブの管理と、作業中のジョブに含まれていたポイントの間で、COGO計算を行うことができます。
管理データをすべて1つのデータセットで組み合わせた場合、簡単にポイントを見つけるには、どうすればよいですか?
多くの管理データおよび設計データを作業中のジョブにリンクさせる場合、多くのポイントおよびラインがデータセットに含まれることがあるため、これは非常によい質問です。
Captivate v3.0では、各作業中のジョブのジョブ属性には、リンクされたすべてのジョブの概要が表示され、これらのリンクされたジョブに含まれるポイントおよびラインすべての概要を示す、データセットのページにアクセスできます。
リンクされたジョブを「表示する」あるいは「非表示にする」オプションを選択でき、リンクされたジョブのポイントやラインを、データセットの中で表示するか非表示にするか指定できます。関連するジョブをすべて後で使用できるよう作業中のジョブにリンクさせ、かつ一時的に内容を非表示にして概要をより見やすくできます。
さらに、データセットのポイントにフィルター・オプションを適用できます。新しいフィルター・オプションは、複数のポイントの範囲を定義できるため、ポイントの表示・非表示をすべて自由に選択できます。
ポイント・フィルターはアプリに引き継がれ、その後にポイントの範囲を、例えばその日に杭打ちする箇所のリストを、定義するために利用できますこれによって、必要な情報のみを表示し、目の前の業務に専念できると同時に、関係資料をすべて現在の作業中ジョブに関連付けできます。
ジョブカルーセルをクリーンアップし、ジョブをより見つけやすくする方法はありますか?
はい、あります。ジョブをリンクするという概念を導入したことにより、ホーム画面からF6ボタンでジョブ管理画面にアクセスできるようになりしました。このジョブ管理画面では、機器で利用可能なジョブをすべて表示したうえで、ホーム画面のジョブカルーセルで、指定したジョブを非表示にすることができます。したがって、必要に応じてホーム画面から現在の作業中のジョブ以外を隠し、見やすくすることができます。
Captivateの機能に満足していましたが、なぜ現在のワークフローを変更する必要があるのですか?
現在のワークフローを変更する必要はありません。ジョブに関する従来の操作方法もCaptivate v3.0では使えるため、アップグレード後も以前と同様に作業を続けることができます。管理または設計のジョブを、作業中ジョブにリンクさせない限り、新しい機能にはほとんど気づかないでしょう。
新バージョンはどうすれば入手できますか?
新しいCaptivate v3.0 現場用ソフトウェアのリリースは、2017年12月1日以降にLeica myWorldからダウンロードできるようになりました。インストールを行うには、少なくとも2017年12月1日まで有効なカスタマーケアパッケージ(CCP)のライセンスが必要です。ご質問あるいはご希望がございましたら、 もより地域の当社の担当者にお問い合わせください。
Elke Hacker
Senior Product Manager Field Software
Leica Geosystems